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Cute Movies

幸せな孤独

監督:スザンネ・ピエール

一つのアクシデントによって4人の人生が大きなうねりの中で変わっていく。ほんとに突然いつ起こるか解らない交通事故。あまりにも身近にある事故であり、そのことで人の人生が変わってしまうことの恐ろしさを感じた。

シリ、ヨアヒム、ニルス、マリー、の4人は愛する人を手放すことで、その悲劇の出来事から抜け出すことになったのではないだろうか?それにしても、思うの
は母の愛の強さだった。マリーは子供を抱いて号泣するが「大丈夫、もう泣かないから」と立ち直り、健気に誕生日ケーキを作っている。心に大きな傷を負った
娘のメンタルケアも必要だろう。

そして私がもう一つすごいと思ったのが、ヨアヒムを献身的に看護していた看護婦。息子を溺死と言う形で失
い大きな心の傷を持っている。そのことをヨアヒムに言われて取り乱したが、それでも介護を続ける。それも辛辣なヨアヒムの言葉を冷静に受け止め優しい言葉
を投げかける。彼女がいたからこそヨアヒムは自分の将来そしてセシリの将来をしっかりと受け止めて考えることができたのではないだろうか?彼女の存在なく
しては、4人の新しい世界への各々の扉は開けることができなかったように思える。
ニルスが親友に「本当にセシリを愛しているのか?」と尋ねられた時「そうだと思う」と答えた。
「だと思う・・・・」というあやふやな気持ち、それが愛なのかな?
そのために、築いてきた家族を捨てるのかな?責任を感じて父をつなぎ止めようとする娘をも捨てて「愛してると思う」彼女に走る。それが愛なのかな?
 私にはその辺りの男の気持ちがよく分からなかった。ただ、この4人に幸せな将来が待ち受けているだろうことは確かだろう。辛い辛い経験は人を大きくするだろう。

「ほんの一瞬だったんだけど、最後にセシリがヨアヒムを乗せて来た車に乗り込もうとして一瞬躊躇する。しかし、何かを振り切るがことくその車に乗って走り出すシーンに、この題名の意味があったように思えた。

豪華な洋服やきらびやかなファッションはないけれど、同世代の女性にはとても親近感が持てるものだった。マリーの着けている下着ひとつにしてもそう。普通の主婦、普通の女性なら誰でもありうる、という、地味だけどとても身近に感じられる映画だった。

text by...  七福神

2003/11/27

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